芹沢由紀子

ショーガールの芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

ショーガール(1995年製作の映画)
4.2
おっぱい崇拝者による豪華絢爛なおっぱい崇拝映画。
大好きな一本なのでプレミアムエディションDVDと、映画のパンフも愛蔵している。
ヴァーホーヴェン監督はこの作品を酷評されたみたいだけど、私の周り(アシスタントさんや同業の女子の間)では結構人気高い。コテコテの日本人女子からしたら、いかにもラスベガス!ハリウッド!ダンス!おっぱい!エロス爆発!!みたいなここまで突き抜けてくれた映画を堂々と劇場に観に行けることが一種の冒険だし、気持ちのいい衝撃体験の思い出。

いい歳したオバハンになった今、再鑑賞してみても、当時のバブリーな90年代のかほりが香ばしく、懐かしくもあり、やはりいい映画だなあと思い知る。ショーのメインアクトに「ジャネットジャクソンかポーラ・アブドゥル」と言ってるシーンがあるけど、当時のみんなが大好きだった代表格がもう懐かしい2人というね。
アンドリュー・カーヴァーとかいういかれたスターはいったい誰がモデルなんだろう。本当にひでえ役だな。
それにしても、ヴァーホーヴェン監督作品で、人が一人も死なない作品がこれだけらしいんだけど、そう思って観てみると貴重・・・

当時のアウトラインはみ出して塗るヌーディッシュな口紅メイクとか、くるんくるんのスパイラルパーマとか、ウェスタンブーツ、マネして夜の街に繰り出していた自分の青春時代がよみがえってくる~~~~!

この作品が酷評された理由って、外国人にはわかりにくいのではないかと思う。作中で日本企業の観光客がニヤつきながらストリップみてるの同様、もう自分たちとはかけ離れた世界のファンタジーを見ている気分で楽しめるから。
でも自国の映画慣れした人が観ると、やはり見るに堪えないいかがわしさがあるんだろうな~
たぶん、私たち日本人が、太平洋戦争映画の中で日本兵たちが玉砕していく様を連合国側の目線で笑えるようなおとぎ話っぽく描かれているのを見るに堪えない感じに似ているのかなとか考えてみた。
「こんなダンサーなんかいねえよ!」みたいな。監督はオランダ人だから、外国人から見たラスベガスのショービズ界の女の子たちっていうこの偶像は、不快だったのではないかと。私の勝手な憶測だけど。
日本の「吉原炎上」とか「陽暉楼」とかの題材を、韓国人監督が撮りました、みたいな違和感?だけど韓国は映画大国だから、大ヒットして世界中に受け入れられたみたいなイメージ。
わかりにくかったらごめんなさい。

私は大好きなので、大好きポイントを紹介します。

ストーリーはいたってシンプルだし、気性の激しい主人公がじっとしてないので気持ちいくらいさくさくテンポ良く進んでいく。
監督はミュージカル映画に憧れ、ミュージカルを撮りたかったみたいだけど、これはどう見てもミュージカルじゃないよねえ?
でも有り余る製作費で贅の限りを尽くしたショーの演出は、笑えるほどインチキ臭いし時代を感じるが迫力満点。そんなパイ丸出しのボンテージコスチューム、ネットのアダルトサイトでしかみたことないようなフェチ衣装、ほんまのダンサーが着てるし。ステージ上を尻丸出しの女の子が大型バイクで走り回るし!(リッキー・マーティンの武道館公演の時もたしかバイクでステージに登場してたな)
全盛期のジーナ・ガーションはスタントなしですべて自分で踊っているらしく本当に美しい。まさしく女神!なのだ。

主人公のエリザベス・バークレーさんは、ラジー賞の受賞や映画の酷評、役柄のイメージが強すぎてその後の活躍が危ぶまれたみたいだけど、その後も一流女優さんとして活躍中。
今もとっても美しい。同世代としてあの神々しいまでの美しさは永遠の憧れ。超絶プロポーションもさることながら、よく見ると彼女は微妙にグリーンとゴールドのオッドアイで神秘的な瞳をしていて、引き込まれそう。
クリスタルとの食事のシーンで
「自分の体が好き?」「好きよ、とくにオッパイ」「どんな気持ち?」「どういう意味?」「わかってるでしょ」「サイコーよ。ピタピタの服を着るととっても気分がいいの」というシーンがめちゃめちゃ好き。
若くて美しい女性の気持ちを素直に代弁してくれてる。そりゃあ、気持ちいでしょうねえ~
女性に生まれたことを本当に1000パーセント活用して謳歌
してる生き方ですもんね。

しかし、最終的にラスト付近で彼女のウィークポイントであるひた隠しの過去が明らかになり、「ノーミ」という女性のパーソナリティーが明かされるんだけど、その辺もとても説得力があってよかった。
ラスベガスを目指す直前までの脚本もあったら映画として絶対に観たいのお!


ここから先はネタバレになるかも。ご注意!
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ヒッチハイクの男がえせプレスリーっぽくて好き。最期のオチが最高だった。この男がどんな目にあわされるのかなあ?旅は道連れでいい相棒になるのかな?

ザック(カイル・マクラクラン)はひたすらキモい役だった。部屋も友人も趣味が悪い。きも~~~~~!!

主人公を拾ってくれたモリーもすごい美人で親切で大好き。夢がかなうといいね。もちろんジーナ演じるクリスタルも。キスしそうでいつもギリギリでできなかったが、最後に望みがかなった濃厚なキス。
チーターズのボス、 ドラアグクイーン、黒人のダンサー、結局みんなノーミに恋してメロメロだったというオチも少女漫画的展開で良き。

大好きな映画なんだけど、あまりにもおっぱい、全裸、キス、絡み合いのシーンのオンパレード過ぎて、部屋では家族の目が気になり流しっぱなしができない。涙
芹沢由紀子

芹沢由紀子