西東京

江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者の西東京のレビュー・感想・評価

4.0
見る、見られる関係性は必然的に映画の登場人物と観客の関係を想起させる。見られる側は見られることで存在し、見る側は眺めてその耽美を想像することしかできない。
見る側だった石橋蓮司は殺人を犯すという見られる側と同じ体験をすることでその関係を破壊し、一体化を試みた。しかし、映画を見ているだけの我々は“あちら側”に行き同じ快楽を味わうことは不可能なのだろうか。すると映画自体が突然の破壊、関東大震災というこちらの現実によって向こう側からの一体化が試みられる。だが残ったのは寒々しさと恐怖のみ。お互い足を踏み入れてはならなかった。
シーンごとに曲調が結構バラバラで、分裂気味な内容と相まって面白い。前半に流れるニューエイジっぽい音楽がお気に入り。
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