めしいらず

江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者のめしいらずのレビュー・感想・評価

2.7
窃視する者と窃視される者とが、視線でまぐわい、その視線を求め合う。性の快楽と殺人の淫楽によって二人はより強固に結ばれて行く。殆どの乱歩映画が薄っぺらなエログロや安っぽい怪奇に堕する中でこれは健闘が光る一作。原作とはほぼ別物の物語なのだけれど、この性の妄執の描き方には乱歩のスピリットが感じられるし、原作の持つ格調をぶち壊していないと感じた。軽妙なムードや時代感が巧いし音楽の使い方も実に効果的。
めしいらず

めしいらず