えいがドゥロヴァウ

オンリー・ゴッドのえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)
4.2
すごく贅沢
贅沢というのは詰め込むことではないのですね
豪華だったり盛り沢山な映画は巷に溢れていますが
金銭面を除いて「贅沢」と呼べる映画はとても少ないように思えます

兎にも角にも赤や青のライティングに染まる画面に浸りまくりでした
光の色が混ざり合わずに鮮やかで硬質なコントラストを形成しているさまがカッコイイ
オリエンタルな壁紙の模様(パターン、連続性)
娼婦を囲う玉状の簾の光沢など
シックで猥雑で妖艶で非現実的な世界観を堪能
そして平常の明かりのムエタイジムに場面が切り替わったときに目が醒めたような感覚に陥りゾクッとさせられたり
スローテンポななかにも映像にメリハリが効いていて
非常に楽しませてもらいました
テンポが悪いのではなく、スローなだけでテンポは良いです
構図、カメラワークは品があって
作品の芸術性を高めています

『ドライヴ』は評判ほど感じ入るものがなかったのですが
本作のほうが映像美が際立っていて
個人的には充実度は高いです
これくらい解釈を委ねてもらえたほうが
やはり深みは増しますね
『ドライヴ』がイマイチだったのは何故でしょうね
そのときの気分のせいかもしれません
もう一度観てみねばなりません

カラオケは完全にコメディシーンですが
特に笑えたのはどいつもこいつも口を割るのが早すぎなところでした
また「ホドロフスキーに捧げる」とありましたが
レフンとホドロフスキーの親交を知ったうえで観たので
カルト映画として楽しめました