このレビューはネタバレを含みます
スクールカースト、ジェンダー、過去のトラウマ……刺激的な題材を、あまり重くなりすぎずにスパイス程度に効かせた青春讃歌。個性的なキャラクターと、適度に笑いもあるストーリーは、良作と呼ぶに十分な仕上がりになっている。
ただ、はじめての交際で自らが犯した手ひどい裏切りも、散々引っ張った過去のトラウマでさえも、なんとなく解決してしまう主人公の甘やかされっぷりに鼻白むのも確か。ちょっと通好みなロックを BGM に猛スピードでかっとばせば、自分たちには明るい未来が約束されている、という根拠のない確信で満たされてハッピーエンドとなるあたり、やっぱ青春はこうなんだなあ、という妙な納得感と、後味良くさわやかだが物足りない、腹六分くらいのカフェランチを食べた気分。
