1984年に公開され、2014年にDVD化されるまで、一部映画ファンのあいだでは伝説のカルト作品として語られていたと言う。
アワビ採りによって生計を立てていた夫婦は原子力発電所建設の闇に巻き込まれる。夫は殺され妻は命からがら逃げ出したが、夫殺しの濡れ衣を着せられ追われる身となる。
復讐を誓う妻だったが、いったい誰を殺せば復讐は成就するのか。
社会の大きなうねりによって、奪われ失う者がいる。しかし怒りをぶつける相手さえわからない。弱者の憤りが描かれる。
見所は全編にわたって散りばめられている水中シーンだ。
当然CGなどは使えるはずもなく、役者本人が潜っているそうだが、どれも神秘的で、キレイに撮られており、作り手による海への想いが感じられる。
2010年、監督はこの作品が撮影された海で発見された。