ちゃりお

飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲のちゃりおのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ケッタイなタイトルからは想像できないほどちゃんとした続編だった。『悪魔のいけにえ』(1974)を偏愛しているが故に関連作品は観ないようにしていたが「観てよかった」というのが正直の感想だ。

『悪魔のいけにえ』におけるレザーフェイスは暴力の化身であり、それ以外のことは何も分からなかった。そこがレザーフェイスというキャラクターの魅力であり、恐ろしい点でもあった。

しかし、今作では「ソーヤー一家」という殺人家族の一員であり、さらに「主人公のいとこ」という萌え属性まで付加されている。未知の化け物から随分と距離をとったキャラクターになったものだ。

続編というのは伝統を守りつつ発展もしなければならないのが頭の痛いところだが、今作はそのハードルを超えているように思える。いい塩梅でリスペクトとオリジナリティを混ぜ合わせている。

しかし、『悪魔のいけにえ』でもそうだったが既に死んだ人間の名前を呼ぶのは控えたほうが良いということがよくわかる映画だ。フロイトによると未開民族のタブーには使者の名前を呼ぶことを禁ずる、というものがあるらしい。なんでも死者たちは生者を羨んでおり名前を呼ばれると呼んだ生者に危害を加えるのだという。

またレザーフェイスは発達障害をもつ成人だが、古来より目が見えなかったり足が不自由な障害者は死人に近いため魔力のような特別な力を持っていると考えられていた。死者の名前を呼ぶ生者をぶち殺すレザーフェイスが、生者を羨む死者の恨みを晴らす依代のように見えてくる。

というふうにやはりホラーには民俗学の匂いが際限なくするという自己満足でした。良い映画を見ると想像力も沸き立ってくる。