しろくま

ジ、エクストリーム、スキヤキのしろくまのレビュー・感想・評価

3.4
2022.11.20/252/GYAO
洞口(井浦新)は大学時代の仲間の大川(窪塚洋介)と15年ぶりに再会。大川の同棲相手の楓(倉科カナ)、洞口の昔の恋人京子(市川実日子)と海へ行くことになり…。

〝ずっと音沙汰なかったくせに今になってなんだよ。もう縁切ってっから〟〝俺も切ったよ〟〝じゃあ何しに来たんだよ〟〝お前に会いに来たんだよ〟〝縁切った人と会ったら、そりゃあ縁切れてないだろ〟〝だから繋いだんだよ〟〝繋いだり切ったりできんのかよ〟〝えっできないのかよ〟って感じで全くかみ合っていないユルすぎてアホ全開の会話。無駄にかっこいい井浦新さんと窪塚洋介さんだから聞いてられるけど、そうじゃなかったら、途中離脱していたかも。このユルい二人の会話に倉科カナさんと市川実日子さんが加わって、まともになるのかと思ったら、さらに拍車がかかるから手に負えない。特に何かが起きたりしないけど、彼らが楽しけりゃそれでいいと思える大人の青春ロードムービー。

前田司郎監督が〝横道世之介〟でタッグを組んだ沖田修一監督と高良健吾さんもゲスト出演の本作は、〝横道世之介〟のような日常の中に潜む死が見え隠れしている。大学時代の仲間峰村の死や楓の先天性疾患もそうだが、冒頭の転落のシーンが、その後の再会やロードムービーとどうつながっているのか説明がないままなのが気になる。予告編では、〝一人の男が死んだ?〟〝幽霊か現実か〟って煽っておいて回収しないままって何?終盤再び転落現場を映しているが、説明不足のために、時系列は不明。ただ、車の中に本があったので、彼女が本に気づくのはその後ってこと?あの入浴シーンで井浦新さんの背中に打撲痕や擦り傷の跡があればはっきりするのに、それがないということは…。全て転落時の妄想だったと考えた方がかみ合っていない会話の説明もつくけど…。結局、モヤっとしたまま。
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