イチロヲ

色情妻 肉の誘惑のイチロヲのレビュー・感想・評価

色情妻 肉の誘惑(1976年製作の映画)
4.5
重度のセックスレスを抱えている夫人(松永てるほ)が、淫靡な夢想世界に没入してしまう。女性の性的エネルギーの爆発を描いている、日活ロマンポルノ。桂千穂の証言によると、某外国映画のプロットを借用しているらしい。

占い師から「今すぐ男とヤラなきゃ死ぬよ!」と宣告された夫人が、猥褻ワンダーランドに堕ちていく。セックスをイメージした幻覚症状に見舞われたり、不条理な生命の危機に直面したり、全編がサイケデリック感覚に満ち足りている。

占いの館(入口のオウムが「ファック!」と喋る)の禍々しい雰囲気と、終局における儀式的交合のプリミティブな雰囲気がツボに入りまくり。個人的に、交合シーンは儀式用の催淫ハーブを炊いて、ラリるところまで演出しても良かったと思う。

協力者(渡辺とく子)と一緒に行動するミステリー要素を含ませることにより、ロマンポルノの自由度を最大限まで活かすことに成功。三十路直前の草臥れてきた女性が、セックスで活力を取り戻すところに大きな感動がある。
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