このレビューはネタバレを含みます
実際に起きた銃の乱射事件を元に作られた作品。登場人物達はある種フィクションの存在なのかな。
モノクロームで描かれる事によって生々しさが削がれそれによってより緊迫感が感じられた。彼、彼女達の。
どうしてこう言う事を起こすようになってしまったのか、彼自身のフェミニズムに対する憎悪は描かれているがそこに至る、そう言う思考に至る過程は描かれていない。
だからこそ被害者である彼女が出されない手紙で母親に宛てたのかな。
事件のその後の彼女の苦しみも描かれているがそこに費やされた時間はそんなに長くない。
普通なら? 事件を、傷を、克服して生きていく風に描かれる(感動に引っ張っていくような)描かれ方をされるかも知れない。 もしくは?苦しみを引きずって悲劇的な終わり方を描くかも知れない。
それとは全く別な、あの手紙の終わり方が印象に残った。あのモノクロームの映像と共に妙にリアルさを感じてしまった。