めしいらず

クスクス粒の秘密のめしいらずのレビュー・感想・評価

クスクス粒の秘密(2007年製作の映画)
3.7
人生に訪れる”呪いの目”。その間は何をやってもうまくいかない。生真面目に不器用に生きてきた父に通告される解雇。心機一転、新しい道に踏み出してどうにか目処が付きそうな所までこぎつけたのに、肝心の最後のひと押しでまた躓いてしまう。家族らは父の挑戦に協力こそしてくれたが最後のトラブルにはどこか他人事のようで真剣に対峙しようとしない。客たちはすぐさま掌返し。移民を取り巻く環境、情が希薄になっていく家族の有り様が露わになる。彼の為にこの膠着状態を打ち破ろうと真剣に行動したのは恋人の娘だけだった。長尺を感じさせない緊迫感溢れる見事な演出。役者陣の自然な演技もいい。特に恋人の娘役が素晴らしい。なんて艶っぽい流し目。
めしいらず

めしいらず