Keitan

スノーピアサーのKeitanのレビュー・感想・評価

スノーピアサー(2013年製作の映画)
3.2
『列車の進行方向に格差を並べてみたお話』

20200215 033
ポン・ジュノ監督振り返り。本作が長編7作目の最後。まさかのSFアクション。主役は「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンスだしw。で、ちょっとメジャーに日和った感じありな内容だった。

「未来世紀ブラジル」を教科書としたSF的にはありがちな管理社会を箱庭的に列車の中に詰め込んだ世界観。先頭から最後尾へと分かりやすく階級化されている舞台で、先頭の創造者を目指すレジスタンスの物語。世界観のアイデアが先に生まれた作品なんじゃないかと感じた。後から調べたらフランスのらBDが原作らしく多分そう。

車両ごとに世界が変わる美術は凝っていたと思う。ただストーリー自体は割とありきたりのSFアクション。本作でも貧困層が富裕層に挑むという構図で、その辺りのテーマは一貫しているな、と。3/4あたりの主人公が過去を独白するあたりから監督らしさは出てきた。

そういえば、割と全編シリアスでコメディ要素は少なかったかも。トボけていたのは年が明けて皆んな寿司を並んで食べるシーンが入るくらいだった。エンタメ的には別に楽しく最後まで観れるが、他の監督作品のストーリーテリングなどと比べれば物足りなさが正直残る。
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