火星

スノーピアサーの火星のレビュー・感想・評価

スノーピアサー(2013年製作の映画)
4.5
『パラサイト』のアカデミー賞受賞以降の『スノーピアサー』再評価路線、俺は嬉しいね。公開以来まだまだ評価は低いが伸び代があるぞ!
ポン・ジュノ監督がいかに社会問題について考えてきたかがよく分かる傑作だと思うんだ。俺は。
要するに、あの列車の中に世界の縮図を表現したかったわけでしょ。ちょっと思い出すだけで環境問題・戦争・貧困・教育・利己的な首長・持続可能な社会なんかについて想起させられたね。そういえば、もはや本来の意味を為してないアニバーサリーなんかもちょっと皮肉ってるような印象も受けたかな。俺の想像力が豊か過ぎるだけか?まあ思い出せないだけでまだまだあると思います。

世界中で起きてる問題をちょっとずつ掻い摘んで、伝わるか伝わらないか微妙なニュアンスで小出しにしていくスタイル、ポン・ジュノ監督天才だと思ったよ。

そして何より、この映画で1番悍ましかったのは「子供は下層から安定的に供給される」というその世界のトップの発言だよね。上流から中間層までを豊かにする為に、下層の人間を単なる労働力としか考えずに酷使する。
国や資本のトップがそんなことを考え続けてたら世界は終わりに向かうだけ。監督が伝えたかったのはそういうことなんじゃないかと思うな。凄い。

この映画はやっぱりどこまでも“現実”ですよ。
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