倦怠期満々ドコロか別居生活満喫中の夫婦。ヨリを戻したい夫は、妻を田舎の別荘へと連れ出した。しかし、妻の心は既に冷め切っており、寝室すら共有できない状態に。しかも翌朝、ジョギングに出かけた妻は得体の知れない血塗れの男に襲われて……という、ゾンビ・パニック作品。イギリス作品らしくパニックよりも叙情感を前面に押し出した構成で、気が付いたら世界滅亡的な展開になっている。
とにかく、最初から人気のない村、夫婦二人だけの別荘が舞台でありながら、繊細な表現で周辺に起こっている異常を伝えている辺りは絶妙。肝心のゾンビの活きが良過ぎてヤカマシイだけになってるのは残念だけど、妻をゾンビ化から救おうとする夫の決断や、ケッキョク全員がゾンビ化してしまった悲壮感などうっかり見入ってしまうこと請け合い。
問題は、どういう魅力を感じていいのか判らないキャスティング。愛嬌はあるけどタコ坊主な夫は典型的なフーリガン男にしか見えないし、愛嬌はあるけどそれ以上のナニモノでもない妻は、揃ってゾンビモードにしても惜しくない顔を選んだとしか思えない……。
夫婦の冷め切った情愛を表現するなら、逆にベットシーンを期待したい顔面偏差値にして欲しかった。
