Tomo

言の葉の庭のTomoのレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
4.8
いったいなんど観たことか。最後のシーンは何度観ても心に刺さる。二回目以降で気づく事も多く、短いながらほんとうによくできた映画だと思う。
特に1番最後のクライマックスシーンの2人の足元のカット、説明なく足元の画を差し込んできてはいるけれど、2人がお互いに支え合ってたことがよくわかるカットとして敢えてこのクライマックスで入れてきたのが本当にいい。こういった細かい仕掛けがすべてのカットに随所に散りばめられているため、45分で起承転結を詰め込んで一気に突っ走るながらもちゃんと見応えが伴っています。
さらにこの作品は遠回しの台詞が多く端的な言葉で吐き出すシーンが多いですが、その台詞の奥の感情を見事に主演声優2人が表現していて本当に役者魂を感じます。加えて美術作品としても楽しめるレベルの余りにも美化された雨の新宿風景は観ているだけでも心が雨で浄化されていくようです。音楽もピアノ一つで、統一感のあるリズムですが、各シーンの感情に合わせた音色の使い分けが見受けられ脱帽です。
休日にただテレビで流すだけで穏やかな空気感に満たされます。
新海誠作品はほぼすべて観ていますが、この作品を超えるものはまだないと思っています。
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