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言の葉の庭のfumingのレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
3.3
短編映画。
とにかく映像が綺麗。ある意味実写以上に景色が美しく描写されている。とりわけ主題である「雨」や「水」の描写には変態的とも言えるこの上ないこだわりを感じられ、視聴者を作品世界に引き込む魅力があるだろう。
内容は「少年のひと夏の恋と成長」といったところだが、甘酸っぱさや爽やかさは殆ど感じられず淡々としていて、雨故にか湿っぽい。また生々しい描写こそ無いものの、作者のフェチズムを感じさせるような要素やシーンが随所に見られ、どことなくやらしい。敢えてかなり悪い言い方をすれば「全編AVや官能小説の導入パート」のようであり、本作を受け付けない人も結構いるかもしれない。
ただやはり、圧倒的な映像美が少々影のある本作の物語にみずみずしい彩りを加えてくれている。また視聴者がダレない程度で終了し、短編映画として観やすく良くまとまっている。そして何より大江千里の主題歌が非常にマッチしていて、有無を言わさずこの映画のラストを〆てくれる。
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