ペンバートン

言の葉の庭のペンバートンのネタバレレビュー・内容・結末

言の葉の庭(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

仕事上の問題から、自分一人では上手く前に進めなくなった教師・雪乃と、靴職人を志す高校一年生・秋月が、雨の新宿御苑で邂逅する物語。

「靴」は地に足をつけて、一人で前に歩み出すことの表象であり、新宿御苑内の「東屋」は、雪乃と秋月が、一旦歩みを止め、「雨宿り」とする場であり、二人の持つ異なる生活空間、つまり世界が接する場でもある。

教師という大人の世界で、悲嘆に喘ぎ陰鬱としながら生きる雪乃と、高校という大人に接する社会的空間を有しながら、まだ先の道にある靴職人という世界を夢想し、一途に向き合う秋月の青臭さが対比的に描かれている。

雪乃が裸足で駆け出し、秋月とともに感情を爆発させるシーンは雪乃の内の変化を感じることができ、秦基博の耳触りの良い音楽も相まって、鳥肌ものだった。

また、『君の名は。』『天気の子』を見て感じたが、新海誠監督の描く新宿は上手く言葉では言い表せないが、幼い頃思い描いていたような、都市の美しさが強烈に表現されており、やはりどうしようもないぐらいに好きだ。