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ビッグショット・ダディのnのレビュー・感想・評価

ビッグショット・ダディ(2009年製作の映画)
4.0
これは良作。

主人公(ロビン・ウィリアムズ)は作家志望だが、まったく花開かない冴えない中年男。彼にはエロのことしか考えてない頭の悪い息子がいるのだが、その息子がオナニーの最中に死んでしまう。
男はそれを隠すために自殺に見せかけ、遺書、そして日記まで自作で用意する。周囲はその遺書や日記に同情し、バカで友達のいなかったはずの息子が一種のティーンのヒーローのようにまつりあげらるように。その父である主人公はテレビに出演するまでになるが...というような話。

なにかダニエル・クロウズ(ゴーストワールド)とかのアメリカのオルタナコミックのような雰囲気があってよかったな。
物語全体になんか独特の暗さがあるというか。好きな人は好きなやつ。
皮肉で、一筋縄ではいかないようなね(ちなみに、プロデューサーには『ドニーダーコ』のリチャード・ケリーが入っている。たしかに、好きそうだ)。
キャラクターとかも、わりと変人ばっかだし。

ラストも、アメリカのコメディではお決まりの、セレモニーで物語の教訓をしゃべらせる、みたいなシーンが来て長々とスピーチさせるかと思いきや、わりとあっさりとクライマックスを迎えたり。この手があったかと、わりと感心した。
そしてその落とし方も妙に気持ちのよいもので。
こんなに意地悪な話なのに、すこしウルっとさせられてしまうという。

けっこういい脚本。
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