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ドリーマーズのchanmoreauのレビュー・感想・評価

ドリーマーズ(2003年製作の映画)
3.7
ベルトルッチの2003年作を配信で初見

1968年のパリ5月革命といえば
「政治の季節」の中でも象徴的な出来事で
本作はそんな時代を背景にシネフィルの
男2人と女1人の奇妙な3人生活が描かれる
シネマテーク館長ラングロワ罷免に反対する
中で米国青年マシューは美しいイザベルに会う
彼女はテオという男と同居していて彼は
一卵性双生児なのだと言う
そして3人の同居生活が始まるのだが…

ベルトルッチがヌーヴェルヴァーグ大好き
ってのは初期の『革命前夜』『殺し』から
明らかでその後は『暗殺の森』『オペラ』と
独自の美学を作り上げて大作へと向かう
90年代後半からもう少し小さい企画を
手がけるようになり本作は『戦メリ』の
ジェレミートーマスが製作
しかもNV後期が背景とあっては
映画ファンとしては心躍る設定なんだけど
結果はいかにもベルトルッチらしい😅

3人は両親のいない家で映画談義をし
名シーンの当てっこをし裸で抱き合う
社会性とか分かりやすいメッセージは
本作には全く存在しない
映画と戯れ性に溺れる姿ばかり写される
都市と退廃とエロスという点でやはり
『ラストタンゴインパリ』にも通じる
そんなブルジョワ的なノリがダメな人も
いるだろうけど俺はかなり好きな方だ😊

『ヘドウィグ』が印象的なマイケルピットは
ここでは巻き込まれる米国青年役で
イノセントな感覚を保ちながら
双子の世界に危うく溺れていく姿がいい
エヴァグリーンもいかにもベルトルッチ作品の
女優という感じで裸身も大変美しい
テオ役があのフィリップガレルの息子で
こちらもなかなか印象深い

引用される数々の映画を俺は全て観ていて
まぁ観てなくても話が分からないっていう
事はないのだけれども
確かにある程度映画を見慣れてないと
ストレートに入ってこないかもしれない
タイトルは原題ままのカタカナ表記だけど
せっかく男2人女1人設定なんだから
『冒険者たち』にならって
『夢追人たち』にすればよかったのに😅
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