カント

ドリーマーズのカントのレビュー・感想・評価

ドリーマーズ(2003年製作の映画)
4.2
机上の空論グータラ青春映画。
性の倒錯度A級。
イザベルの胸Gカップ。

アメリカ人留学生マシューと、イザベルとテオ姉弟。3人の友情と痴情が、閉塞感の漂う時代背景と共に絡み合う。ドリーマーズって、どう言う意味だろう?

✏1968年、春のパリ。
アンドレ・マルロー文化大臣が、シネマテーク・フランセーズの創立者ラングロワ氏を追放。
アンリ・ラングロワ氏の復権を!と叫び、警察を“権力の犬”と宣(ノタマ)う学生達。パリの「五月革命」の前哨戦だ。

劇中に頻出するジャニス・ジョプリンの歌声は、アメリカでベトナム戦争に反抗したヒッピー・ムーブメントの象徴。中国では毛沢東の文化大革命が。日本では東大安田講堂を占拠した学生運動が。1960年代後半はベトナム戦争を軸に激動の時代でした。

そんな激動のパリで、アメリカ人留学生のマシューは、映画オタクの変テコ姉弟イザベルとテオと出会う。

姉弟は映画のワンシーンを再現して「映画クイズ」を出しあう。間違えたら苛烈な罰ゲームが待っているぞ。

イザベルの映画クイズに答えられないテオ。罰ゲームは“マスターベーション強要”
マレーネ・デートリッヒのポスターにぶっ掛けられたザーメンを指で拭うイザベル。
【この姉弟、変!】と思いつつ、マシューは姉弟と生活を共にする。

テオからの映画クイズ。答えられないイザベルとマシュー。罰ゲームは目の前でセックスを見せてもらう事!
嫌がるマシューに「私とするのは、そんなにイヤ?」と迫るイザベル。
テオの見守る中で、イザベルの身体に乗るマシュー。
あれ?イザベルの股間から血が…。

3人の爛(タダ)れた時間が過ぎ行く中で、パリの街は瓦礫のバリケードが築かれていく。
革命に身を投じる事を是と考えつつ、テオは愛する姉のイザベルから離れる機会を失っている。
イザベルは刹那的に、3人の関係を「永遠に」と願う。
そしてマシューは…。
3人の運命は、革命の名の元に振り分けられていく。

映画クイズは、映画が娯楽の花形だった時代ゆえの遊びで、今は成立するのかな?劇中に登場する映画の8割以上、分からなかった(>_<)

キートンとチャップリン論争。
ジミヘンとクラプトン論争。
日本人(私)はアメリカかぶれなので、マシューの論点に納得する事が多かった。

タイトルのドリーマーズは、中盤までならば「夢、現(ウツツ)」って感じだけれど、日本語には「一炊の夢」「邯鄲(カンタン)の夢」「泡沫(ウタカタ)の夢」とか色々あるし…
ラストシーンだけ見ると「理想の夢」と思える。
テオにとっての「理想」と、マシューの疎外感。あの時代を生きた者にか分からない感慨がよぎる感じですよ。
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