するとら

わたしはロランスのするとらのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
3.9
すれ違い続ける男女の10年間
愛し合い友達同士のように相性が良い二人

恋人の性別が突然変わってしまっても今までと変わらず相手を愛し続けることができるか
 複雑な心境のままロランスを支え続けたフレッド それが愛だったのか情だったのか 性自認によるお互いのすれ違いや苦悩 複雑な関係性が丁寧に描かれていました

ふたりの関係性はもちろん そんなロランスを取り巻く環境も緻密に描かれており、中でも母親が印象的でした
冷たいんだか優しいんだか でもそんな母親も一つの苦悩を抱えていてそこから脱却できずにいた
そんな二人が心境を明らかにするシーンはとても感動的で目頭が熱くなりました

センチメンタルなはずのシーンはどこか爽やかに描かれ、ラストの解釈は視聴者に委ねられる
フランス映画らしい映像美はもちろん 内容もアートに偏らず、重厚な人間ドラマには心揺さぶられます
 
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