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わたしはロランスのryodoのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.0
約3時間の中に彼、いや彼女の人生が詰まってる…

グザヴィエドラン監督脚本。
女性になりたいと思い続けた主人公がついに願望をかなえ、女性と過ごす葛藤と愛を描く。


ドラン作品はLGBTのGを扱う作品が多いけど、今作はT(トランスジェンダー)。

トランスジェンダーはあくまでも「割り当てられた性とは違う性同一性の状態」であることを意味し、性的指向は必要条件とはしない。
そして、重要なのは性同一性障害とイコールではないこと。

だからこそ本作の主人公(ロランス)は与えられた性は男性かつ中身は女性でも、彼女がいる。

その彼女(フレッド)がレストランでロランスの為にブチ切れたシーンは最高だった。

近づきすぎ、愛しすぎてしまうとお互いを傷つけてしまう2人…

離別と再会を繰り返す内に、
ロランスはどんどん境界を超えていくのに対し、取り残されるフレッド。 

その隔壁が何度も2人を対立させる。
(故に喧嘩シーンが多いけど、どっちの言い分も分かるんだよなぁ…)

そして、本作もドラン節が際立ってる。
個人的に、フレッドがまた堕ちたな…というシーンで滝のように水をかぶる演出が好きだった。
勿論、音楽も良い味を出してる。

終盤になると「長いなぁ」と思い始めちゃったけど、ラストは必見!
あのラストを見る為にこの作品を観たのかもしれない…。


ドラン作品はこれで3本目かな。
これがドラン22歳の頃の作品かぁ。
どんどんクオリティ上がるなぁ。
本作にも一瞬出演してた(笑)
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