O次郎

ピッチ・パーフェクトのO次郎のネタバレレビュー・内容・結末

ピッチ・パーフェクト(2012年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

女子大生の青春活劇譚。
大学の入学からサークル勧誘を経て自分の希望とはかけ離れたへんてこりんなサークルへ、という流れは物語として文字作品だろうと映像作品だろうとテンプレだが、国が違ってもこれがテンプレとして成立している事実になんだか感心させられてしまった。
ただまぁ、舞台である女子アカペラサークルのリーダーである頭の固い女の子の緊張から本番でゲロ吐いて敗退...というお下劣演出による笑いの取り方はやはりテイストが偏ってるなとは感じる次第。

個性の強い新人がどうにか集まって練習の日々へ、というこれまた安定の展開だが、上述のリーダーの強権によるマンネリ曲・マンネリ振り付けで出る大会あちこちで総すかんを食らう...という展開の尺がいささか長過ぎて飽きが来るのが勿体ない。
中盤、他のアカペラチームとのダンスバトルでオリジナリティご芽生え始め、そこからオッと見直すのだが、結局大会ではテンプレ曲で評価を得られず完敗。

その後、タナボタ的に敗者復活してようやっと主人公のDJアレンジでチームが脱皮するが、そのまま一気に優勝しちゃう。
おそらく、もともと有名キャスト投入してたことからしてシリーズ化は間違い無かったんだろうから、敗退して最上級生を送り出すところで潔く終わらせて自作に含みを持たせるほうがよかったのではと思う。
それであれば途中のマンネリの長さもチームの変化の片鱗が見え始めた、という変化の鮮やかさに転換出来たのではなかろうか。この辺はノリと勢い重視のあちらの国らしいかなと思い、好みの分かれるところかと。

また、細かいところながら、主人公のルームメイトであるアジア系の仏頂面の女の子が折に触れて画面に登場していたため、てっきり急なメンバーの脱落に彼女が電撃参戦する展開を期待してたのに特に何もなかったのがすごく口惜しくはある。
ともあれ、努力で夢を掴むサクセスストーリーとしての爽快感はきちんと満たしており、作中で紹介されていた『ブレックファスト・クラブ』を観てみようと思い立った次第。
O次郎

O次郎