りょう

麦子さんとのりょうのレビュー・感想・評価

麦子さんと(2013年製作の映画)
3.2
 堀北真希さんの大ファンでした。彼女の魅力は言葉で表現できません。ずっとテレビドラマ中心の活躍で、映画には恵まれなかったという印象があります。2011年の「白夜行」が代表作になるかと思いきや、原作のファンだったことも影響して残念な結果でした。この作品は当時から好印象でしたが、あらためて観てみると吉田恵輔監督だと気付いて、この頃はこんなにソフトな作品を撮っていたんだと再発見です。
 正直なところ、堀北真希さんばかり観てしまっていました。松田龍平さんの少し脱力した芝居が心地よかったりした以外は、ちゃんと作品全体を観れていないので、レビューする資格がないかもしれません。ただ、時間軸の構成を工夫してフラッシュバックを多用すれば、麦子と母親の関係性をもっと丁寧に描くことができた気がします。
 印象的なシーンは、中盤あたりの麦子と憲男のファミレスの会話で、少し手前のお1人様の男性客が目玉焼きハンバーグのようなメニューを同時に2皿食べているところがとても気になりました。それと、冒頭のタクシーが脇見運転で自転車の警察官に衝突してもお咎めなしというシーンは、この町がどういうコミュニティを形成しているのかを端的に表現しているなと思いましたが、さらにラストシーンのオチにもつながっていて感心しました。
 堀北真希さんの復帰を願わずにはいられなくなるという意味では、彼女の魅力いっぱいの良作です(スコアは相当甘くしています)。
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