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美しき仕事の犬のレビュー・感想・評価

美しき仕事(1999年製作の映画)
4.0
ドニラヴァンの身体性が遺憾なく発揮されていて度肝を抜かれる。彼の脈打つ血管すら高貴に感じるとは思わなかった。塩類平原にてサンタンが気を失うシーンの一瞬にして白光りが空間全体を包み込む白昼夢のような光景に息を飲む。暑く乾いた土地と弾ける若き肉体による運動を醜いマチズモに逸れることなく抽象性かつ克明に映像として語る強度が凄まじい。ラストのドニラヴァンのダンスがただ身体を揺らすとかではなく、圧倒的な体幹と瞬発力からなる動きをしていて圧巻。過去作で言えば『ポンヌフの恋人』が顕著だが、ドニラヴァンってバレエとか何かしらのダンス経験があるのだろうか。
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