ハワイの成り立ちについて詳細に綴ったジェームズ・ミッチェナーの長編大作小説の一部分を映画化したもの。
かなり曖昧でマイルドになっているけれど、無自覚な傲慢者であり良くも悪くも融通が効かない不器用な男を主人公に据える事で、「宣教」という思想を押し付ける行為の傲慢さや、現実を見ずに聖書のみを盲目的に信じる事の危うさ、説教をしながらその実内容について本当の意味で理解できていない事の愚かさが描かれている。
ダニエル・タラダッシュの脚本をダルトン・トランボが校訂という形になっているが、トランボの色が強く表れている箇所がいくつか感じられる。思想弾圧を受けハリウッドを追放されたダルトン・トランボがこの脚本に込めた意図は、出来上がった映画よりももっと皮肉のきいた内容だったと思う。
ただ3時間という長さでも飽きさせないという点では流石ジョージ・ロイ・ヒル監督だと思う。キリスト教を信じる欧米の白人種の人々にとってかなり後ろめたい内容を含んだ作品を拒否感なく見させる手腕は見事だと思う。まずは考えさせる事が重要。そう思わせる作品。