映画ペンギン

MAMAの映画ペンギンのネタバレレビュー・内容・結末

MAMA(2013年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

最後が…それまではかなり良かった。



以下終盤のネタバレ





返してもらった自分の赤ん坊の骨を投げ捨てるのは笑うと共に唖然としてしまう。
仮にも我が子、その我が子を探してヴィクトリアとリリーを代わりに愛でてたんちゃうの?って思ったけど、その我が子の死を受け止めて、今生きているリリーの呼ぶ声で真・ママとして覚醒たってことでいいんでしょうか。
母性の暴走、なんなら妄執とも言える感情にまだ6歳の幼子を巻き込んであまつさえ死なせてしまうという展開は、悲しいという感情を摂取するにはいい展開かもしれませんが私はあまり好きではない展開でした。
母親の心の穴埋めのために子供を道連れにすな。しかもMAMAは悲しい過去が描写されて同情できるような描写もなかったので、尚更リリーの純心に漬け込んだ最悪な道連れに見えてしまって残念でした。
でも、リリーは物心つく前からMAMAに育てられてました。
それが、幼子にとっていかに重大で重要なことか、ということでしょうか。
どのみち、人間の世界では生きられない。
だったらMAMAと一緒に冥府へ旅立つ方が良かったのか。
答えは分かりませんが、釈然としないなぁというのが正直なところです。
ギリ物心ついてからMAMAに育てられていたヴィクトリアはギリ人間世界で生きていく。
リリーはMAMAと旅立つ。
言うなればこれはそう、海外ホラー版おおかみこどもの雨と雪なのです。
それでも、うーん、もうちょっとなんとかならんかったのだろうか。


終盤までは、大変良質なホラーに仕上がってたと思います。
見えないけど存在感半端ないMAMAの輪郭が物語的にも視覚的にもじわじわと浮き彫りになっていく様など、大変見応えあります。
豊富なジャンプスケア及びびっくりさせる仕掛け、それでいて実はほぼないグロ要素(強いてあげるならMAMAの外見は大変にショッキングですが)。
グロが苦手な人でも観れるホラーとしてかなり高品質なのではないでしょうか。
後半急にファンタジックになりますが、それはそれとして、いいホラー映画と思います。終盤の展開は私じゃなくても多分賛否両論と思います。

それはそうと、主演のジェシカ・チャスティンの配役というか、演技力、役作りはすごい。
いい感じに擦れた大人で、いい感じに母性を感じる絶妙な役作り、ともすれば配役。
劇中とても視覚的に存在感のある「母性」を惜しげもなく披露するのはエッチだなぁという感想も出力することもできますが、やはり主人公の母性の象徴なんでしょうね。
ナウシカとおんなじ。リリーに母性を発揮するシーンでもめっちゃ存在感出してましたからね。
ハマり役だったと思います。

あと最初主役かと思われたルーカス、マジで空気で笑いました。

以上です。宜しくお願いします。
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