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フリークス(怪物團/神の子ら)のGTのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

本物の身体障害者を使用したことで当時としては衝撃的だった(多分)作品。なんと1932年。第二次世界大戦すらまだまだ先という時代に撮影された映画なのだ。昔すぎて、映像が非常に荒い。
サーカスの、そこで働くフリークス(奇形人間)が主役。婚約者がいる小人症のハンスは、同じサーカスの団員であるクレオパトラに度々誘惑され、恋をしてしまう。しかしクレオパトラは彼含めたフリークスたちを馬鹿にしており、彼に貢がせるために思わせぶりな態度をとっているに過ぎず実際にはヘラクレスという恋仲もいた。ハンスに莫大な遺産があると知るとクレオパトラは彼と結婚、彼を毒殺して遺産を手に入れようと画策する。結婚パーティにてクレオパトラのフリークスたちへの侮蔑的な態度を目の当たりにし、またワインを飲んだ後体調を崩し医者から毒だと診断され、彼女らの計画を察知。怒り狂ったフリークスたちはクレオパトラに復讐する。
勧善懲悪な割とありがちな筋ではあるが、クレオパトラの性格の悪さ(ワイン飲んで爆笑するシーンは胸糞)そしてそこからの復讐というスッキリ展開は、やはり見ていて気持ちいい。にしても、最後クレオパトラがフリークスにされしかも知能の方までフリークスにされるラストは結構衝撃的。世にあるスッキリものでも、ここまで徹底してくれる作品そうないのでは。
元のフイルムは90分あるらしいが、縮められて60分。カットされたフィルムはもう現存しないらしい。シャム双生児の娘、フロゾとヴィーナスという心優しい健常者など魅力的なキャラクターは、もしかしたらその失われた30分でもっと活躍していたのかもしれない。そう考えると、少し惜しい感じもする。尤も、60分という尺は気軽に見るには丁度良い長さだ。
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