ゆず

スティーブ・ジョブズのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

アップルの共同設立者の一人、スティーブ・ジョブズの伝記映画。スティーブ・ジョブズについて全く知らないのだけれど、映画だけみてると相当人間性に難ありだなぁ。
仕事はできるし発想もすごい、口も上手い。間違いなく優秀。だけど自分のためにしか動かない。トラブルメーカー。目的のためなら平然とハッタリをかます。友人の扱いは雑。常識やルールにおかまいなし。車の運転も荒く、自分の車は毎回身体障害者用の駐車スペースに停める。彼女の扱いも酷い。自分も彼女以外と寝てるくせに、彼女の妊娠を知っても俺の子じゃないだろうと突き放す。おh…クズメン…。
仕事上でも強引で、仕事を一からやり直させるのもしょっちゅうだし、自分の考えについて来れないプログラマーはあっさりクビ。初期から一緒にいたメンバーの中にも「ついていけない」とひっそり辞めていく人も。

胸躍る展開だけではなく、会社が大きくなるにつれ、昔の仲間と疎遠になっていったり、目指しているものがズレていったり、商売としての問題点が出てきたり(あと恋人の扱いが酷い)。あまりスカっとはしないんだけど、結構面白かった。これだと思ったものに全力で打ち込む姿勢って何のジャンルでもスゲーなと思う。怖いけど。

Lisa開発チームから外されそうになってるあたりからが特に面白かったなぁ。やる気のない窓際チームが、彼の登場であっというまに動き出す。即座に未来や目的とか、先を見通して突き進む。マッキントッシュチームのリクルーティング、すっごくワクワクした。嫌な面見せられまくってんのに、憧れる気持ちも分かるなと思ってしまった。あとウォズが「一緒に会社を始めた理由」として語ったあの単純さと、去り際の台詞が好きだった。

あ、あとエンドロールで実際の人物の写真が出てきて、見た目も相当似せてたんだなぁって、すごく驚いた。

てっきり全然知識のない人(私みたいな)にジョブズの功績を見せるための映画だと思っていたがちょっと違ったようだ。アップル製品をほぼ使ったことがない自分には何の話してんのかよくわからない部分も結構あった。登場する製品に思い入れや愛着がある人だったり、スティーブ・ジョブズについての本を読んだことがある人が見たらきっともっと面白いんだろうと思う。

特典についてた年表を見て少しぐぐってみたら、アップル追放された後、ジョージ・ルーカスが慰謝料に困って売却しようとしてディズニーに断られたCG部門を、スティーブ・ジョブズが追いかけて値切り倒して買い取って設立したのがピクサーだっていうのを知って笑った。色々とすごい人だったんだなあ。このへんは映画本編では出てこないけど。
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