EDDIE

親密さのEDDIEのレビュー・感想・評価

親密さ(2012年製作の映画)
4.3
「言葉には限界があるーー」

そうやって詩を紡ぐ…しかし彼は自分の人生や他人に期待をしていない。

だけど言葉に救われる映画でもある。
そんな二律背反を追求するような構成に唸らされた。

本当に凄い映画でした。
前半と後半でガラッと変わります。
前半あっての後半。
これ仮に配信とか来ても家じゃ絶対無理です。
気になる人はチャンスがあれば劇場で観てほしい…それぐらい劇場で観る意味ある作品だと言えます。

前半と後半を分けて評価するならば…

前半 3.0
後半 4.5
総合 4.3

って感じでしょうか。
正直前半はなかなか面白くなりません。
映画の登場人物が本番の演劇のための稽古をひたすらやっていたり、会話したりしているだけ。
『ドライブ・マイ・カー』の原点に当たるような作品だとも感じ、同作の稽古のシーンばかりをやたら見せられているのが前半です。ひたすら淡々といつもの濱口竜介作品のように、各人物のセリフの言い回しはあえて棒読みのようにしています。

ただ前半あっての後半なので、どちらもなくてはならないと感じさせます。
それぐらい後半で全部盛り返します。
前半に感じていた眠気が後半は完全に吹き飛びました。

いやはや凄まじい映画を見せられました。
濱口竜介はやはり凄い映画監督であり脚本家です。

なんだかんだラストはエモーショナルな気分にさせられるし、エンドロール付近ではちょっと涙ぐんでしまいました。

〈キャスト〉
沢村令子(平野鈴)
良平 / 野口衛(佐藤亮)
伊東文 / 金森佳代子(伊藤綾子)
三木邦夫(田山幹雄)
手塚うらら / 野口ゆきえ(手塚加奈子)
仲村太郎 / 多田真之介(新井徹)
西島晃 / 小宮山ノボル(菅井義久)
香取明子 / 汐見悦子(香取あき)
林健介 / 店員1 (土谷林福)
渡部秀典 / 店員2(渡辺拓真)


※2023年劇場鑑賞
※2023年自宅鑑賞142本目
(旧作のため自宅鑑賞本数に換算)
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