あまのうずめ

親密さのあまのうずめのレビュー・感想・評価

親密さ(2012年製作の映画)
3.8
2011年2月3日。劇団では舞台準備の読み合わせが行われ、今回演出はレイコとリョウヘイの二人で行うと発表する。帰宅しリョウヘイが脚本を書き上げる頃レイコはバーのカウンターに立ち、リョウヘイが眠る頃レイコは帰宅。二人は同棲している。この日北朝鮮は韓国に砲撃していた。2月5日、キャスティングが発表される。


▶︎濱口竜介監督・脚本で4時間超の長作で、劇中劇が含まれドキュメンタリータッチで描かれている。

劇中劇の方も濱口竜介の脚本で、映画だけでなく演劇もいけるのかと感嘆する。劇の演出はレイコ役とリョウヘイ役の二人。

前半終わりの二人が夜中から夜明けにかけ歩く長回しのシーンとセリフが美しく、ラストのスレ違う電車のシーンが繰り返し読まれる詩とシンクロし泣けてくる。このためだけに他の時間をつかったとさえ思える程だが、劇までの準備と劇を味合わずにこの感動は得られない。

録画で観たので途中休憩出来たのが丁度いい位だった。十分な飲み物と軽食の準備をしての鑑賞をお勧めする。鑑賞した喜びを噛み締められる作品でも、やっぱり長丁場は疲れた。

劇中の北の砲撃はフィクション。

WOWOWの『濱口竜介監督特集』にて鑑賞。