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親密さのtのレビュー・感想・評価

親密さ(2012年製作の映画)
4.6
昨年末は「ハッピーアワー」に大きく動揺させられたが、丁度1年後にこの「親密さ」を観て同じく濃密な映画体験ができて心から良かった。
私とあなたの間にある絶対的な断絶をいかに乗り越えていくか、劇中劇、稽古、インタビュー、メール文面、手紙、詩の朗読…etcを通して模索する4時間超。エクリチュールとパロールとか、ランガージュとアンガージュとか(言いたいだけ)、乏しい知識を引き出すまでもなく、様々な状況とあらゆる言葉が自分のものとして迫ってくる。
そしてあの夜明けへの過程、そしてラストショット。映画的な感動に溢れてる。
言葉はうわべで弱いものだが、自分と他人を繋げる引き金となるのもその言葉だけ、なのか。結局分からない。ただ、何だか佐藤亮さんが他人とは思えない。
誰もの極私的作品になり得る強さを持った説明不能な傑作。
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