ハレルヤ

チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密のハレルヤのレビュー・感想・評価

3.9
ポルノ女優である主人公のジェーン。ある日ガレージセールで買った魔法瓶の中に大金があり、返すに返せなくなった事の罪悪感から持ち主の老女セイディーの日常生活を手助けする事にする。そこから世代を越えた2人の絆が結ばれていくヒューマンドラマ。

まず邦題よ。チワワを前に出すんじゃない!笑
ちゃんとストーリー読むまでてっきり動物ドラマかと勘違い。確かにチワワはいるし可愛いけど、ストーリーの上ではそこまで重要じゃない。本作のテーマは孫とお祖母さんくらい年の離れていて、それも全く立場が違う2人の女性の友情。

「フロリダ・プロジェクト」のショーン・ベイカー監督らしく、浮遊感のある音楽に少し温かみのある映像。派手さやドラマティックな演出に頼らず、自然な形のドラマを展開していました。

ポルノ女優として働くジェーンと、孤独に日々を過ごすセイディー。社会の片隅で生きる2人の姿を見ていると、やはり「フロリダ・プロジェクト」と通じるものが感じられます。

そしてラストで明らかになる真実。とても意味深でこの事実を受けてから、物語を振り返るとまた色々と違った視点が浮かび上がります。何度も見たくなる仕上がりになっていて、物語の作り方の巧さが際立っています。

そのラストの余韻を感じながらのエンディング。シンプルに見えて結構深い作品だと思いました。監督の次回作も期待したいですね。
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