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ハンナ・アーレントの40のネタバレレビュー・内容・結末

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

理解することと許すこと
ユダヤへの罪ではなく人類の罪
一つの民族のみを愛したことはない、愛したのは友人だけ

彼女自身ユダヤ人として迫害を受けた身でありながら、アイヒマンの「悪の汎用さ」と、思考することを放棄してしまったことの罪を主軸に冷静に主義主張を展開している。
最愛の友人や父親のような友人とも絶縁してしまうほど苛烈な議論を巻き起こした。
ゼミでもハンナのこうした思考を好意的に捉える人が多かったけど、ハンナアーレントが考える思考の場というのはかなり理想の高いもので、基盤が整っていない状況で思考を求めると言うのはかなり酷なような気もする。

彼女は冷静に理解しようと努めることで自分自身乗り越えているのだろうか。
ハンナ自身命からがらアメリカに亡命し、何年かは家政婦をしながら英語を習得したそう。
ユダヤ人同士のコミュニティに所属してからは、議論を大切にしていたそうで、劇中でも友人と議論している姿が事細かに映されている。
その他アイヒマンは当時の映像を使用されている点が特徴的な作品。
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