「否定と肯定」を観てもう一度観たくなった。
彼女は思考を切らさない。長い思考のはてに何かに行き着いた瞬間見せるあの表情いいなあ~。
「凡庸な悪」と呼ぶ善悪の判断停止状態
企業によるデータ捏造や仕様に合わない部品の供給をする人たちはそれらが航空機のパーツとして使われて大惨事を起こす可能性に思いが至らないのだろうか??
今までやってきたからとか会社の命令だからという理由なのだろう。
ならばナチスの「凡庸な悪」と何も変わらない。
彼女はあの絶対主義があったからこそ類まれな「凡庸な悪」が生まれたと断じた。
今でも企業絶対主義として「凡庸な悪」が日本の社会にはびこっている現実は悲しい。
もし自分の家族全員が精神疾患者に惨殺され、その引き金が家族が取った無配慮な行動だったとしても、「私の家族にも悪いところがあった」とは多分言えない/思えないだろう。
ホロコーストを自分が属するユダヤ人の蹂躙ではなく人間性の蹂躙として捉えた客観性、勇気は素晴らしい。
ユダヤ人が映画界、経済界を牛耳っている今反ナチス映画は形を変えてますます増えてくるだろう。
この映画はそれらの中で風化することなくこれからの世代にも観てもらいたい。