ラム

ジーア/悲劇のスーパーモデルのラムのレビュー・感想・評価

3.8
友達から話を聞いてずっと見てみたいなと思っていた作品。見終わった後ジアのことを色々検索してみたんだけど
1960年生まれのモデルとは思えない写真の数々だった。

ジア役のアンジーがホンットに美しくて「17歳のカルテ」でも感じたけれどブレイクする前の10代のアンジーの演技力、魅力、底抜けの役者としての飢餓感が伝わってきて震えてしまった。
本当に綺麗…!この世のものなのかな

ジアのドラッグに溺れ切った後半の演技の凄まじさ。それでも美しく鮮烈に生きるジアを求めずにはいられない華やかで陰鬱な胡散臭いモデルの世界。
光と陰って言い方好きではないけれど華やかさの陰になる部分とジアの弱さがリンクしていて「どうしたら彼女を救えたのかな」と考えずにはいられない。

女性初のAIDS公言者であったことも凄かった。相当な恐怖と戦って戦ってそれでも愛を求めて生き、死んでいったスーパーモデルだった。
海外の「スーパー」がつく人たちはみんなあまり幸せな死に方をしていなくて切なくなるけれど、時代と彼らの才能が追いついてない世界で生きる苦しみやもがきを見せらつけられている気持ちにもなった。

思ったより女性同士のラブシーンが多くて「おお…」と思ったけれどジアを支えるリンダの体当たりで命懸けの向き合い方やその人柄の良さにめちゃくちゃ救われた作品。

途中挟まれる(キャストが演じてる)インタビューも生々しくて胸がザワザワした。

美と壮絶という言葉ぴったりの作品だった。
ラム

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