映画初心者

新しき世界の映画初心者のレビュー・感想・評価

新しき世界(2013年製作の映画)
3.9
バイオレンス描写が苦手ではなく脚本重視の人にはおススメの作品。脚本力は満点級。ただ、映像や演出が脚本の出来に比べてイマイチだったので個人としては、う~んという感想。スコア3.9 or スコア4.0

韓国ヤクザ映画。会長が殺されたため次の会長を選ぶために投票をする。候補となる幹部たちが争いを始める。その状況の中で潜入捜査に入り続けている警察官の主人公には明かされていないカン課長による計画、「新しき世界」が始まろうとしていた、というあらすじ。

だいたいスーツ姿で似たような髪型な人物が多い中、冒頭から白スーツで貴乃花親方のような顔と髪をした「チョン・チョン」。この人物はキーとなる登場人物ですが、非常に愛らしい。この映画の魅力は、チョン・チョンが7割ぐらい占めていると思いました。主人公とチョン・チョンとの師弟愛の良さが眩しいぐらいに光っていました。

ハラハラさせる場面(エレベーター内での争い、仲間が目の前で殺される等)があり、お話としてグイグイ面白くなっていく。こういうタイプの作品は、ピリピリした空気が面白い。カン課長の策士っぷりが見事で、ヤクザより怖いなぁこいつと思いながら楽しめました。ミスリードもうまかった。

ただ、映像や演出面が脚本の出来に比べると劣っているように感じた。やっぱり映画は、ここという部分でこれでもかという映像で殴ってきてほしいと感じているので印象的な画が欲しかった。演出としても、基本に忠実で興ざめするようなものはないものの、もう少し演出で印象的になったんじゃないかなと思う場面(中盤のドラム缶にいる人物を殺すところなど)があった。同時に別の場所で殺しをするという場面では、その時系列でどこだ?となってしまい、もうちょっと映像でわかりやすいように、見やすいものにならなかったのかなと思いました。

人物の容姿で判別がつきにくいので、名前と顔とが一致しない、名前が覚えれなかったので誰のことを話しているのだろうと集中のノイズになってしまった。ラストシーンも、こいつら誰だよ...となって他の人のレビューを見てやっとわかるという。。。


評判が良いのも納得できる映画でした。脚本重視の人にはおススメ。
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