naorin

トランス・ワールドのnaorinのネタバレレビュー・内容・結末

トランス・ワールド(2011年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

いかにもヒントになり得そうな
会話の絶妙な噛み合わなさを
拾いつつ、徐々に真実が明るみに
なっていく過程は中弛みもなく
最後まで目が離せなかった。
一見ハッピーエンドだけど
誰より身体を張ったトムは結局
産まれる運命から外れてしまった。
ジョディがグレることなく、
強盗彼氏と知り合わなかったから。
過去に戻り未来を変える、
そんな中でやはり全員丸ごと
ハッピーエンドは無理に近い、
いつだって誰かの幸せは他の誰かの
犠牲の上に成り立っている
ということを実感してしまう。
それでもトムはそれを承知の上で
行動していたようにも思えるし、
最後に実の母親が自分の危機に
躊躇なく飛び出してきた姿を見て
少しは愛を感じられたのかな。

タイトルは個人的に
原題の「Enter Nowhere」の方が
よりあのパックマン状態を
表してて好き。

そしてラスト、実は誰より
負のループから抜け出せず
“どこにも行けない”でいるのは
強盗彼氏ケヴィンなのでは?
これは彼の物語なのだろうか。
やり直すチャンスすら
もらえないほどクズ人間なのかな〜
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