マクガフィン

かしこい狗は、吠えずに笑うのマクガフィンのレビュー・感想・評価

3.3
JKの閉塞感が漂うドラマかと思いきや、ホラー・テイストに変わるので驚く。中二病的な関係性から、次第に崩れていき、想いの強度がすれ違う偏愛は、与える強さと求める強さの掛け違いのように。肥大化するエゴ、思い通りにならないことへの我慢の耐久性が低すぎることが滑稽にも。時折、ハッとする構図や描写があり、男には分からない世界観を生理とするメタファー、フード理論的な一度も一緒に食事をしない関係性や各々の立ち位置の構図。家の外観と内観や、柿泥棒と化粧品を万引きする対比による揺さぶりや違和感を少しずつ積み重ねて、GL要素や死の暗示の漂せ方に感心し、淡いトーンも後から納得する。只、静粛な中でのラストのどんでん返し的な強度の強さが感じられないことが惜しく、シンプルに分かりやすく纏めても良かったのでは。