本作が映画化になる話が出る前に私は原作を読んでいる最中だった。
青木琴美先生の漫画は、すごく良くできていて、
主人公がカワイイ、
出てくる男の子が全員イケメン、
話の内容がドラマチックでセリフも刺さる。
言い方を変えると、
んな話、現実にあるかよーーーっ!!笑
という、仕組まれてる感がわざとらしいところが大好きでした。
つまり、リアリティはあるが自分の身には永遠に起きないであろうとことんキラキラな、
なんか遠い世界のお話な感じが良いのです。
もちろん、自分を主人公に置き換えて読めるような現実味のある漫画も好きだけど、
私がすでに今、少女じゃないんでね、笑、
大人がハマれる少女漫画は、
子供だましだとつまらないし、
変に悟りすぎてるのも興ざめしちゃうから、
リアルと非リアルのバランスが絶妙じゃないと。
カノ嘘は私にとってそういう漫画だったし、
「僕は妹に恋をする」や「僕の初恋を君に捧ぐ」も然りです。
それをね、実写で観たとき、私は何をどう楽しめば良いかさっぱりわからなかったのである。
キャラもセリフもストーリーも、
2次元で完全に成立していた世界を、生身の人間が支配する違和感。
これは他の漫画原作の実写はみんなそうなんだけれど。
その違和感を特にこの作品ではなかなか払拭出来なかったのだ。
あと前年にるろうに剣心が公開されて、佐藤健の剣心が好きすぎてDVDまで買って観てたから、
いろいろと比べてしまったというのもある。
ただひとつ、これは成功してるかもしれないと感じたのは、
音楽が流れたこと、である。
漫画で歌われていた楽曲が、耳に聴こえたこと。
漫画を読んでいる時には正直、どんな類の楽曲かまで具体的にイメージしていなかった。
クリプレの曲はこんな感じ、リコの歌声はこんな感じ、ただ自分の中で都合よく適当に想像していただけ。
でも劇中で流れた曲たちが、思ったよりも良かった。
これはもうほんと、実写ならでは。
(「NANA」の実写もそうだった、曲にかなーり助けられてたよね)
もちろんこれは好みの問題だから、違う、と思う人もいると思うけど、私は想像よりしっくりきた。
作った人すごいなと思った。
歌詞もメロディーもキャッチーだったし、
少女漫画的なキラキラ感があった。
それとリコ役の子がすごく歌が上手だった。
考えてみたらこの漫画の要って、リコの歌声とその楽曲なんだよね、
そこがよかったから、漫画→実写の違和感がものすごく薄まったのである。
大原櫻子ありきの作品だったなぁと思う。
もちろんいい意味。
そこに星をつけたい。