どちゃくそ面白い。軽く引くぐらい大仰な身振りや冗長な場面がある一方で、主演女優の真正面からのクローズアップはそこにあるだけで矯正院の男や袋叩きにされる女の過剰さに拮抗して引けを取らないほど美しく撮られているし、そのクローズアップと組み合わされる横顔のバストショットは視線が組み立てる不均衡な力関係のドラマを完璧に捉えている。この視線を効果的に使った演出があるからこそ、視線に追従する邪悪だったり誠実だったりする手の身振りが効果的に映るわけだし、視線を遮るドアや切り返しで思わぬ視線を露呈させる窓の演出も光るわけだ。