様々な階級と男女の関係が入り混じったパーティが大崩壊に至るお話
アンドレーとサン・トーパンが喧嘩をする場面、今まで顔ばかりを映していたカメラが突然離れて部屋の全体像を捉えるようになる。舞台劇のような印象と化し、男二人の喧嘩が一層コメディとして際立つようになる。
序盤でパーティに至るまでの登場人物説明、中盤でパーティが始まってからの様々な男女の関係が入り混じる群像劇が描かれるも、アンドレーとサン・トーパンの喧嘩の場面を機に登場人物の感情は急激に加速し始め、様々な登場人物が建物の中を縦横無尽に動き回ってはそれまで積み重ねられていた男女の不倫関係が連続的に暴かれ、銃声と喧騒の中でパーティが急激に崩壊していく様が普通に面白すぎて笑ってしまった。
奥行きを用いた演出が見事で、奥→手前から人が迫り来る、手前→奥に移動する、手前で発生しているイベントの一方で奥でも何らかのイベントが起きる、手前→奥に発砲するなどの奥行きを活かした演出の数々によって舞台に立体感が生み出され、それは終盤の登場人物が建物の中を駆け回る場面でその立体感は上手く発揮される。
そして何よりラストの影の演出!『ラルジャン』でも見られた演出ではあるけど、それまでのドタバタコメディがあったからこそ落差として印象に植え付けられる。
面白かった!