『セブン・サイコパス』というタイトルだから7人のサイコパスが大暴れする話かと思いきやそうではなく、その名のついた作品の脚本に取り掛かるも上手くいかない脚本家の話だった。途中までは執筆の苦悩とビリーの犬拝借、マフィアの愛犬を取り戻す闘いが並行して描かれ面白かったのだが砂漠パートから途端にダラダラし始めてつまらなくなった。「は？」と言いたくなる展開も多いが、サイコパスだから理解不能な行動をしちゃうよねで言いくるめられてしまう憎さ。暴力描写、銃撃シーンも芸がなく反復を繰り返しているような感じで単調。
今作こそイマイチだったがこの後に評価を受ける『スリー・ビルボード』を撮っている訳で、それを踏まえると酒などの色々な苦労を乗り越えてシナリオの完成を目指す脚本家マーティと道のりが似ているような気がしなくもない。『セブン・サイコパス』という苦労を乗り越えて(本人はそうは思っていないだろうけど)『スリー・ビルボード』という完璧な完成品を作った。
