持て余す

サイド・エフェクトの持て余すのネタバレレビュー・内容・結末

サイド・エフェクト(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

淡々と始まるもののじわじわと不穏さが漂う展開。

心を病むエミリーの行動に翻弄されるが、車に乗り込む前の行動や、ホームでの警備員の名前の注視、オフィスで副作用に苦しむ様子など、さほど真相を隠し通そうという気はない描き方をしている。

ショッキングな殺人シーンから以降は、ジュード・ロウ演じるバンクスの苦難のシーンが続く。共同経営者たちの掌返しや、無責任な報道、エミリーやシーバートの動向などは腹が立ちながらも、現実にはこんなものだろうなあと思えた。

ただ、嫁の行動だけはなんだか理不尽に感じられた。普段からなにごとにも協力的で、経済的にも支えてきた(ように見える)夫の苦難に対して、助けるどころか積極的に排除しようとする有様。冷た過ぎやしないでしょうかと、歯噛みしてしまう。

それで吹っ切れたのか、嫁が自分の元を去ってからというもの、バンクスは腹を括って真相を究明し、犯人をぐいぐい締め上げていく。

やや、御都合主義の部分も見られた(収容施設から窓の外を見るのは絶対ではなかった筈)ものの、基本的には逆転してスッキリの結末を迎えられた。カタルシスは少なめだけど、丸く収まりはしていたように思う。

でも、やっぱり嫁が帰ってきてたのは納得できなかった。あんな捨て方をしといてよく戻ってこれたものだ。またなにかあればあの嫁は出ていくに違いない。


あまり情報を入れずに見始めたので、途中からは薬害関連の社会派になるのかと思っていたところ、こうしたサスペンスフルな展開は非常に楽しめました。
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