デンマークの鬼才ラース・フォン・トリアーの甥にあたるヨアキム・トリアーの作品を初鑑賞🎬
麻薬中毒者の更生施設に入居するアンダースは、残り2週間でプログラムを終えようとしていた。
プログラムの一環である就職面接のために出された外出許可を利用し、かつての友人や妹を訪ねるが、想いは空回りするばかり…。
過去の人間関係やアンダースが置かれた状況が、会話を通して段々と見えてくる会話劇に近いスタイル。
かつて心を通わせ、時には一緒に楽しみを共有していたはずの友人や恋人、家族。
自分の置かれた状況や気持ちを理解して貰えないと同時に、相手が歩む人生が遠くのものに感じて、疎外感と孤独に苛まれる。
出来てしまった溝は想像以上に深く、その対岸に渡る術が何も見出せない。
良い事も悪い事も全て薬物のせい。
それは本当の自分じゃない。
自分には何もない。
自分に絶望してると同時に、社会も自分と同じように見ていると思い込む。
でも、問題は薬物じゃない。
結局自分に向き合えない人間は、誰とも何とも向き合えない。
あなたを愛してる
あなたを許す
そんな言葉で都合よく物事は収まることは出来ない。
矯正施設のシュミレーションと現実は違う。
薬物やアルコールから立ち直ってもまた逆戻りしてしまう背景をこの映画から感じ取った気がした。