このレビューはネタバレを含みます
マーク・ウェッブ監督の新生スパイダーマン二作目。
一作目の方はアクション控えめながらも、ピーターの心の機微や成長を丹念に描いていて好きだった。
二作目はヒーロー・アクションものとしては正統進化。ヴィランもアクションシーンも増え、映像表現もやたら綺麗で素晴らしいのだが、マーク・ウェッブらしさは全体的に薄まった気がする。
良いな、と思ったのはエレクトロと化したマックスとスパイダーマンの最初の対決シーン。街中のモニターに映されるものとマックスの自意識の変移。
それからデイン・デハーンの堕天っぷりはお見事ですな。「病んじゃうボーイ」をやらせたら良い仕事します。
そして最後、グウェンを亡くしたあと、再び街を守りに向かう一連のシークエンスは素晴らしかった。
「絶対に勝つ。」なんぞというコピーを付けられておりますが、ヴィランにこそ勝つものの、ピーターは亡霊には負けているわけです。グウェンの父親の亡霊に。
「俺は何度も忠告した。お前の前に現れて。しかしお前は結局どうだ? グウェンを守れなかった。死なせてしまった。お前は約束を破った。お前がいったい何に勝ったというのだ?」
そんな感じの悪夢もきっと見たことでありましょう。
「さあ、僕は戻ったぞ」
淡々とした、しかし強い意志の漲るこの言葉が、アンドリュー版ピーターらしさを見事に表していて、映画のラストを爽やかに締め括っている。
え? ライノ? 誰それ?
まあ、あと付け足すとすれば、とにかくエマ・ストーンが可愛いです。