イロカワ

降霊 KOUREIのイロカワのレビュー・感想・評価

降霊 KOUREI(1999年製作の映画)
5.0
「地獄はあるんですか?」
「は?…あると思ったらありますし、ないと思ったらないですね。」
「あなたはどっちなんですか?」
「分かりません。失礼します。」
映画史上最も役に立たないお祓い屋。普通に私服で現場に来て、特に何も解決しない哀川翔に笑った。
この映画の中で役所広司はめちゃくちゃ幽霊にキレてるけど、実は全ての元凶は風吹ジュンの功名心。だからどれだけ幽霊を殴っても何も解決しない。風吹ジュンに平凡であることを受け入れさせる事でしか、助かる道は無かった。
ラスト、彼らが破滅していくのは幽霊が見えるという事に奢った結果。それ自体が特別なことであると自分たちを過信し、その力で罪から逃れようとした。でもそんな力最初からなかった。冒頭の降霊シーンをあえて省略することがここで効いてくる。見えるからといって、幽霊の言葉を語っていい理由にはならない。顛末まで含めてすごくフィルム・ノワール。
ハードボイルド心霊映画。
イロカワ

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