この監督がただの離婚劇で終わらせてくれる訳がなかった。
監督の他作品と比べると不穏さで煽ってくるサスペンス要素は薄めに感じたけど、相変わらず人間関係の厄介な部分をこれでもかと投入してきて、何が正義なのかを明確にしてくれないところに説得力があって好きだ。
どの登場人物も背景が掘り下げられていて心情がエグいほど描かれてるけど、個人的には子供たち側からの視点にやられる。
大人同士の複雑ないざこざの犠牲になるのはいつも子供たちで、親同士のせめぎ合いで流れる微妙な空気を察して、時には自分も介入してしまったりして、それぞれが葛藤する様は本当に悲痛だ。