海老シュウマイ

すべては君に逢えたからの海老シュウマイのネタバレレビュー・内容・結末

すべては君に逢えたから(2013年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

クリスマスと新幹線、駅と聞くと、深津絵里や牧瀬里穂のJR東海のCMを連想して勝手に盛り上がってしまうのだけど、
それはあまりに昭和だし電通的すぎるのかなという思いもあり、平成でJR東日本になったリファイン版を観れるかと思ったら、
ひどい感動ポルノだった。

その存在自体が気持ち悪い「二分の一成人式」で泣かそうとするし、東日本大震災を遠距離恋愛にさせるためだけに使うし、玉木宏はバブル期でもあり得ない王子様像だし、市川実和子は愛が報われない割に子どもは夜中に飛び出す奇行をするし、プロポーズの話で盛り上がったあと倍賞千恵子の話は人殺すし。

やっぱり、「三丁目の夕日」や「STAND BY ME ドラえもん」を作った人たちの作品だなぁという印象で、陰と陽の感情のコントロールが壊れてる気がする。

「泣かせる」というのがマーケティング的に必要だったとしても、悲しみや切なさで泣かせなくても、あぁ良かった幸せだなって微笑みながら泣くこともあるわけで。

登場人物の絡みについても、別にグランドホテル形式じゃないからダメとは言わないけれど、東京駅を中心にしてステーションホテルまで出すなら、もうちょっと登場人物を絡ませればいいのに。

木村文乃とパティシエはホテル勤務でいいし、時任三郎は映画の最後まで働かせてから引退させればいいし、場所に収束させなくても、せめて、人物同士の絡みぐらい作れたはず。

東出の仕事が高梨臨の故郷を復興させ、高梨は玉木宏の映画を選んであげて、玉木宏は市川実和子の施設を金銭面で援助して、あの奇行少女が時任三郎の子どもに親のありがたみを伝えてガキは父親に返す、時任三郎は東出たちを運ぶ、
みたいな、誰かから受け取ったものを誰かに返す、つなぐという話はいくらでも作れそうだし、それがタイトルの「すべては君に逢えたから」になってくると思うんだけど。

ババーン、わーん(泣)、ブチューとかなくていいので、ちょっといい話でほろっとさせてくれるだけでいいのに。