「マイルストーンズ」
冒頭、傘を差し道を歩く年配女性。鼻歌が聞こえ、語られ始める。古めかしいセピア色の画、ピル、乳搾り、シボレー。旅、妊娠、ホーチミンの言葉…本作はR.クレイマーとJ.ダグラスが共同で監督、脚本、撮影その他を手掛けた70年代の隠れた大作で206分の長さを持つ。登場人物が50人以上とかなりのキャラが出る。そして個々の思想、歴史感、家族を映す。9組の人間集団の社会との関わりを打ち切った理由を様々な視点と形成で伝えていて、劇中後半に出産シーンがあるのだが強烈な印象を受けるし、その一つだ。それに新左翼が持つテーマの政治的主題を散りばめてる。先ずはベト戦への反 戦と環境汚染問題、黒色人種による公民権運動、先住民の運動、女性解放運動や時代の流れの中に起きたキューバ革命などが問われる。とりわけマイノリティの問題や歴史的事件に言及されている会話が随所に写真や資料で描写される。合衆国の歴史を知った上で会話を楽しむ作品だから人には中々勧めにくい…
